トップ > デジタルライフの歩き方 > クラウドサービスは専門的なサービスほど面白い
日々の生活を、便利に、快適にする『デジタル』を電子雑誌フリック!編集長の村上タクタがご紹介。
第13回は、前回に続き、とっても便利なクラウドサービスのお話。
前回ご説明した通り、IT業界でいう『クラウド』とは、ネットワーク上のその会社のサイトにデータを置き、必要に応じて、アクセスして取り出す手法のこと。これにより、どの端末からでもアクセスでき、バックアップとして有効で、他のスタッフとの協業にも便利……と、たくさんのメリットがあるということをお話しました。
前回は、EvernoteやDropboxなど、なんでもできるサービスをご紹介しましたが、これらのサービスは、なんでもできるだけに、ちょっと慣れない人には分かりにくい側面があります。そこで、今回はちょっと偏った専門的なサービスをご紹介。目的がはっきりしていた方が、使い方は迷わなかったりします。
まずひとつ目はSansanという会社が提供するEightという名刺管理サービス。
名刺をiPhoneで撮影して、アップロードすると、文字認識してテキストデータにしてくれます。
データはクラウド上に置かれるので、自分のアカウントでログインすれば、iPhoneからでも、パソコンからでも、見ることができます。検索もできます。まとまった枚数を読み取るには、スキャンスナップなどのスキャナーで読んだデータを取り込めばOK。実は私もいただいた名刺が50〜100枚と、机の上に貯まるたびにスキャンスナップでまとめて取り込んで(iX500を使えば200枚を2〜3分で読み取れます)、データをアップロードします。数日経つと名刺がデータ化されています。これで名刺管理に関する苦労は一切なくなりました。
しかも、このサービスが無料です!
素晴しいのは、データの入力にほぼ間違いがなく、多くの場合、部署名や肩書きなどの項目にも間違いがないこと(サービスの混雑具合によっては省略されるデータもあるようです)。
実は、このサービス、最終的に文字認識部分は人力でやっているのです。名刺データは、ODC項目ごとにバラバラにされ、個人情報として役に立たない情報にしてから、 OCR(光学文字認識)でも認識し、その文字認識が合っているかどうかを人力で確認しています。たぶん、海外の人件費が安いところでやっているのだと思いますが、合っているかどうかだけなら、日本語さえわかれば確認できます。そうやって人力を使っているので、ほぼ100%な認識率なのです。
Sansanには企業向けの名刺管理サービスがあり、そちらは有料ですが、個人向けは宣伝の一環として、無料でやっているそうです。
Eightに全部読み取っておけば、もう名刺の山に途方に暮れることはない。
まとまった枚数を読み取るには、スキャンスナップなどのスキャナーでデータを取り込めばOK
次にご紹介するのは、クラウドを使ったマニュアル作成サービスのTeachme。
作業工程などの写真をスマホで撮って、説明の文章を入力するだけで、誰でもマニュアルをインターネットに公開できます。
たとえば、家具などの組み立て方、野菜の栽培方法、道順の案内など、連続した写真と文章で説明できることって案外多いものです。アプリのインストール方法や、料理のレシピにも使えるかもしれません。
このサービスも無料で使えます。ただし、無料で使う場合は、閲覧制限をかけない公開設定で使わねばなりません。
会社独自の工程を社内のアカウントを持っている人だけに閲覧できるようにするには、有償での契約が必要です。しかし、工場の機械の使い方、書類の提出手順など、会社内にこそ継承しなければならないノウハウはたくさんあるでしょうし、かなり利用価値があると思います。
パソコンやスマホを持っている人なら誰でも使えますから、道の駅で販売する農作物の選別と袋詰めの段取りなどをマニュアル化して、作業する人に見てもらっている……というような利用例もあるということです。
Teachmeはマニュアル作成サービス。誰でも分かるようなマニュアルを簡単に作れます。
こちらのZoho インボイスは、請求書の作成サービスです。
名称、単価、数量……など、指示される通りに入力していくと、簡単に請求書が作れます。一度フォーマットを作っておけば、iPhoneしか手元になくても数分で請求書を作れます。そのまま、PDFにしてメールに添付してしまえばOK。プリントする必要があれば、プリンターを使ってプリントすればOK。
事務所のデスクから離れていることが多くて、しかも請求書を送らなければいけないようなお仕事ならとっても役に立つと思います。
Zohoは、世界中でニーズのあるこのような便利なビジネスツールを開発して、個別に販売しているインドの会社です。他にも、CRMや、プロジェクト管理、人事情報の管理など、さまざまなツールを扱っています。これも使いこなせば便利です。
Zoho インボイスは請求書作成サービス。要件を入れておけばいつでも簡単にスマホだけで請求書を作ることができます。
その他にも、スケジュール管理(Brabio!)や、日報(Gamba!)、ミーティング(ChatWork)などさまざまなクラウドサービスがあります。ぜひ、自分に適したサービスがあるかどうか、確認してみましょう。けっこう便利なクラウドサービスがあるものです。
その他にもChatWorkやサイボウズLiveなど便利なサービスがいっぱい!